@文由閣 vol.1
東長寺では現在、檀信徒向けに「葬儀説明会」を開催しております。既に24回を数えますが、葬儀への関心が非常に高いように感じられます。ご自身が亡くなられたらどうするのか、ご家族のどなたかが亡くなられたらどうするのか、様々な理由があろうかと思いますが、一番は、「葬儀は自分ではどうすることもできない」ということが根本にあるのではないでしょうか。
ご自身が亡くなった後、火葬を含む葬儀全体は、遺族(家族とは限りません)が執り行わなくてはなりません。自分自身が歩いて火葬場に行けるわけでもない、自分で僧侶に頼むことができるのでもない、そんなある種「人任せ」の部分が不安で、心配なのだと思います。それに実際にかかる費用の心配もあるでしょう。
そして最後は誰も知らない世界に行かなくてはならない、それこそ「不安」がある訳です。「不安」は、「安らかではない」ということです。ではその「不安」をどのように取り除いていくのか、それが僧侶に期待される部分かと日頃から考えています。僧侶は、死後のことは語れません。何故なら私自身行ったこともないですし、経験体験したこともないからです。さらに云えば、死を間近に感じたこともありません。よって僧侶というものは、その部分を期待されながら、なかなか対応できないというもどかしさがあるのです。ただできることは、少しでも寄り添い、話しを聞いてあげること。私は出来得る限り、そのような僧侶になりたいと思っています。涼仁拝